中学校の美術で心に残っていることを尋ねると、何を“したか”ということだけが心に残っているという解答が圧倒的に多いという。1週間に1時間あるいは1.5時間の授業しかない現状の中で、そのほとんどを制作にあてていては、描く・作ることが苦手な子にとっては楽しい思い出となるはずもなく、卒業後、「美術ってなんだったのだろう」となってしまう懸念がある。
そういった意味でも鑑賞の時間を充実させ、“見ることは楽しい”といった体験を大事にしたい。義務教育最後の3年間で“鑑賞の土台”を作り、卒業後ジャンルの異なったたくさんの作品に出会うことを生涯にわたって楽しめるようにつなげていきたい。
そこで、2011年度から2013年度に、愛知県美術館から愛知県内全ての小・中学校に配布された「あいパック」および「あいパックプラス」に入っているアートカード(今回は「あいパック」のカードを使用)と、ぴったりカードを用いて、入学まもない生徒に中学での鑑賞授業として、「ぴったりカードはこれ!」の授業を実践した。
作品をわかるための知識を持っていないから美術館には足を向けにくいという人も多いという。そうではなく、作品を見て感じていることは人それぞれであり、自分なりに楽しむことが大事であるということを伝えるための授業である。


