■日本美術コレクター、ビゲロー
国内の旧ビゲロー・コレクションが大集合!肉筆浮世絵や円山四条派絵画などを通して、ビゲローがどのような日本美術を好んだのか、ご紹介します。

【前期展示】喜多川歌麿《太夫と禿(かむろ)図》寛政(1789-1801年)頃、城西大学水田美術館蔵
4万点以上の日本美術・工芸作品を集めたビゲロー。彼がアメリカに持ち帰ったコレクションの一部は、実は昭和初期に日本へ戻り、オークションに出品されていました。その後日本各地で大切に保管されてきた、喜多川歌麿や葛飾北斎らの肉筆浮世絵をはじめとするビゲロー旧蔵の「幻のコレクション」を再び集結させることによって、日本美術を愛したビゲローのまなざしを浮かびあがらせます。
■日本画の支援者、ビゲロー
狩野芳崖《悲母観音》、《不動明王》といった重要文化財を含む日本画の名品を多数展示。新しいスタイルを模索した明治の日本画を通して、画家たちや彼らのリーダーだったフェノロサを支援したビゲローの貢献に光を当てます。

【展示期間 12月1日(火)-13日(日)】【重要文化財】
狩野芳崖《悲母観音》明治21(1888)年、東京藝術大学大学美術館蔵

【前期展示】【重要文化財】
狩野芳崖《不動明王》明治20(1887)年、東京藝術大学大学美術館蔵
明治の日本画改革運動のリーダー・フェノロサに共鳴したビゲローは、強力なパトロンとして運動を支えました。急激に欧化しつつあった当時の日本で、2人は日本美術がいかに独特で大切か、世に訴えました。ビゲローが支援しフェノロサが指導した美術団体「鑑画会」では、狩野芳崖や橋本雅邦らが日本の伝統的な絵画に西洋の描き方を取り入れるなどして、新しい時代にふさわしい「日本画」の創出をめざしました。その後ビゲローは、岡倉天心を中心に橋本雅邦、横山大観、菱田春草、下村観山らが日本美術院を設立した際にも寄附を行うなど、その支援は鑑画会解散以降の日本画にも及びました。
■名古屋で活躍、前田錦楓(きんぷう)
花鳥画に優れ、名古屋で活躍した女性画家・前田錦楓は、ビゲローが支援した狩野芳崖と橋本雅邦の弟子でした。知られざる錦楓の作品を、多数ご紹介します。

前田錦楓《蓮池飛燕》(部分)明治26(1893)年頃 前田速念寺蔵【通期展示】

前田錦楓《紫陽花》明治20-29(1887-1896)年 前田速念寺蔵【通期展示】
前田錦楓は「鑑画会」で活躍した唯一の女性画家です。狩野芳崖の弟子であった彼女は名古屋の前田速念寺に嫁ぎ、そこで制作に励みました。錦楓はデザインの分野でも才能を発揮し、その優れた図案は鑑画会が創設した「ビゲロー賞」を受賞しています。
■仏教徒、ビゲロー
日本をこよなく愛したビゲロー。熱心な仏教徒となったビゲローゆかりの園城寺法明院に伝わる襖絵や資料の数々を公開します。

鶴沢探索《群鶴図》江戸時代(18世紀)、園城寺(法明院)蔵【通期展示】

《ビゲロー肖像写真》明治時代(19世紀)、園城寺(法明院)蔵【通期展示】
ビゲローはフェノロサとともに園城寺法明院(大津市)で受戒し、仏教に帰依しました。法明院には鶴沢探索や池大雅の襖絵のほか、フェノロサが寄贈した絵画やビゲローが贈った地球儀、望遠鏡などが残されています。帰国後も仏の教えの理解に努めたビゲローは、本人の遺言により、法明院の墓地にフェノロサとともに眠ります。
■展覧会公式図録
日本美術の収集や明治の日本画家への支援、仏教への傾倒といった、日本に魅了されたビゲローの様々な側面について豊富な図版と解説、エッセイ、コラムでご紹介いたします。
*出品作品は全てカラー図版で掲載
[価格]3,080円(税込)(予定)
[判型]B5判、260ページ(予定)
[編集]愛知県美術館、井上瞳(愛知学院大学)
[執筆]井上瞳(愛知学院大学)、岩間美佳、平瀬礼太(愛知県美術館)
[出版]風媒社