愛知県美術館は、触察による美術鑑賞をテーマとしたドキュメンタリー映画『手でふれてみる世界』の上映会を開催します。この映画の舞台であるイタリア中部・マルケ州にあるオメロ触覚美術館は、視覚に障がいのあるアルド・グラッシーニと妻ダニエラ・ボッテゴニが1993年に創設した、彫刻に触れて鑑賞することのできる美術館です。2018年から同館に通い始めた岡野晃子監督は、「この美術館で目にしたこと、人と人との関係、そのすべてを誰かと共有したい」と、この作品を制作しました。オメロ触覚美術館で働く人の活動や来訪者の様子、作品を寄贈した彫刻家、故ジュリアーノ・ヴァンジとこの夫妻の交流などが記録されています。
愛知県美術館は1998年から、「視覚に障がいのある方との鑑賞会」を地域のボランティアと共に開催してきました。作品に触れることを通して、そこに関わる人々の間に深い交感が生まれる瞬間や感動を描き出すこの映画には、当館の活動とも相通ずるものがあります。この映画が、多様な特性を持つ方々との鑑賞についての理解を深める機会となれば幸いです。
上映後のアフタートーク(手話通訳付き)では、東海地域の美術館で行われてきた、触察を伴う鑑賞活動の歩みを、岡野監督と共に振り返ります。
※ユニバーサル版:日本語字幕、音声ガイド(視覚障がい者向け)付き